｢社会的迷惑行為｣に関する研究の動向

中村 真

アイテムタイプ

紀要論文 / Departmental Bulletin Paper

言語

日本語

キーワード

社会的迷惑行為, 迷惑行為の測定項目, 迷惑行為の測定方法, 迷惑行為に関連する心理的要因

著者

中村真 / ナカムラシン

抄録

　公共場面における迷惑行為の増加を契機に, いわゆる｢社会的迷惑行為｣が注目されるようになった｡本稿の目的は, 社会的迷惑行為に関する心理学的研究を概観し, 最近の研究動向をまとめることであった｡まず, 先行研究に基づいて, 社会的迷惑行為の定義, 測定項目, 測定方法, 関連する心理的要因を分類・整理した｡その結果, これまでの研究で社会的迷惑行為との関連が検討された心理的要因は, 社会的態度・価値観, 共感性, 自己意識, 自己制御, 羞恥心・恥意識などに大別された｡
　そして, 実証的研究のレビューを通して, 社会的態度, 自己制御, 羞恥心・恥意識が社会的迷惑行為に影響する要因であると考えられること, および他の要因と社会的迷惑行為との関連が明確ではないことが示された｡
　これらを踏まえて, 社会的迷惑行為に関する研究の課題ならびに迷惑行為の抑止に貢献し得る知見を提供するための研究の展望を考察した｡

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